よりみち鍬形日誌

離島を愛する鍬形屋。大学四年間の目標は規制種以外の日本の離島クワガタを全種自己採集。 Twitter @odontolabis31 Instagram @_dorcus31

2019 ジャワ島(6)



5日目(後半)

IMG_2253
ライトトラップの様子
ライト上の傘はスコール対策

待ちに待ったライトトラップが点灯した。今回のライトトラップは崖上の見晴らしの良い場所に設置し、反対側の山に向けて光を照らした。
風もほぼ無く、湿度もそこそこ高い。これは期待できると胸を躍らせていたわけだが、やや星空が見えていたのが少し不安だった(これはこれで絶景)。湿度は高いが、なにぶん標高が1000m以上ととても高いので気温は15℃前後とかなり低かった。しかしガイドによるとジャワの高山種はこれくらいの気温が一番いいらしい。これは少し意外だった。

18時に点灯して30分、、、小さい雑甲はポツポツと集まり始めたが想像していたものとはだいぶ虫の集まりが悪い。。。「これはもしや“好条件なのに虫が全く集まらないパターン”ではないか..」そんな不安が頭の中をよぎっていたが、とある“ムシ”の飛来によって一瞬に払拭された。

18:45
崖側からけたたましい羽音が聞こえてきた。弾丸の如く現れた黒い物体は一直線に白シーツに着地した。
黒い物体の正体は夢にまで見たコーカサスオオカブトだった!!

IMG_2208
コーカサスオオカブト
𝐶ℎ𝑎𝑙𝑐𝑜𝑠𝑜𝑚𝑎 𝑐ℎ𝑖𝑟𝑜𝑛 𝑐ℎ𝑖𝑟𝑜𝑛 Oliver, 1789
ジャワ島からマレーシアなどに分布する広域分布種で、標高800m〜2000mの熱帯高地林や雲霧林に生息する。コーカサスオオカブトは現在4亜種が知られており、ジャワ島の個体群は基亜種である。ジャワコーカサスはコーカサスオオカブトの地域個体群の中でも最も体調が小さくなる個体群である。

それまで意気消沈状態だったメンバーだったが、この個体の登場により一気に採集のボルテージが上がった。
ペットショップなどでよく売られている本種だが、現地で野生の個体を見るのはやはり格別である。

この個体の登場だけでもかなり嬉しかったが、遥々日本からインドネシアまで来たわけなので、是非オスが見たい。メンバー一同躍起になってライトラ周辺の藪を隈無く探した。しかしここで見つかったのはナナフシばかりだった。

IMG_2248
ライトラ周辺で採れたナナフシたち

20m四方を少し探しただけでこんなに多様なナナフシが採れるとは。。。ジャワ島の生物多様性の豊かさにはただただ舌を巻いた。

19:22
二頭目のコーカサスオオカブトが飛来した!!今度はオスだった!!!
見ればわかる小型個体だが、日本の虫では見られない大柄な体格に心底感動した!!

IMG_2212
コーカサスオオカブト
𝐶ℎ𝑎𝑙𝑐𝑜𝑠𝑜𝑚𝑎 𝑐ℎ𝑖𝑟𝑜𝑛 𝑐ℎ𝑖𝑟𝑜𝑛 Oliver, 1789
この個体はライトラ横の木の枝にくっついていた。

この時間帯あたりから一気に多くの虫が飛来し始めた。全てをあげるのはきりがないので以下では主だったものを時系列順に紹介する。

21:02
IMG_2246
コーカサスオオカブト
𝐶ℎ𝑎𝑙𝑐𝑜𝑠𝑜𝑚𝑎 𝑐ℎ𝑖𝑟𝑜𝑛 𝑐ℎ𝑖𝑟𝑜𝑛 Oliver, 1789
三頭目の個体。コーカサスオオカブトは美脚の持ち主である。

21:27
IMG_2245
コーカサスオオカブト
𝐶ℎ𝑎𝑙𝑐𝑜𝑠𝑜𝑚𝑎 𝑐ℎ𝑖𝑟𝑜𝑛 𝑐ℎ𝑖𝑟𝑜𝑛 Oliver, 1789
四頭目の個体。長角個体はなかなか現れなく、このサイズの個体が多かった。この後にはオスは飛来しなかったが、メスは数頭飛来してきた。


22:01
IMG_2252
ハグルマヤママユ
𝐿𝑜𝑒𝑝𝑎 𝑠𝑎𝑘𝑎𝑒
日本でも琉球列島で見かけることができる。鱗翅屋の方によると、ジャワ島の個体群は基亜種の可能性があるとのこと。

22:23
IMG_2262
クロツヤムシの仲間
Passalidae gen. sp.
クロツヤムシの仲間は日本では四国や九州の山地に生息しているツノクロツヤムシ一種のみである。基本的にクロツヤムシは体長が10-20mmで瓢箪型をしているものがほとんどだが、この種はかなり大型になるようで、チビクワガタに似たスマートな体型をしていた。ミトコンドリア16S rRNAの解析によって、クロツヤムシ科 Passalidaeはクワガタムシ科 Lucanidaeと単系統群をなすとされているが(細谷・荒谷, 2006)、幼虫の形態などから本科とその近縁な科の系統関係は今後さらなる精査が必要。


22:28
IMG_2267
ベリコサツヤクワガタ
𝑂𝑑𝑜𝑛𝑡𝑜𝑙𝑎𝑏𝑖𝑠 𝑏𝑒𝑙𝑙𝑖𝑐𝑜𝑠𝑎 (Castelnau, 1840)
人生初のツヤクワガタ属(𝑂𝑑𝑜𝑛𝑡𝑜𝑙𝑎𝑏𝑖𝑠属)はベリコサツヤクワガタだった!!第一印象は
「もうこれマルバネクワガタじゃんっ」
マルバネクワガタ属(𝑁𝑒𝑜𝑙𝑢𝑐𝑎𝑛𝑢𝑠属)とツヤクワガタ属の系統関係は一部の界隈ではかなり昔から議論がある話題である(まあ繭玉をつく流、幼虫の形態、幼虫の食性、メスの体型を比較すれば無理もない)。ジャワ島東部に生息するツヤクワガタ属は本種のみ。オスの飛来も期待していたが結局飛来してくることはなかった。このメス、なんと55mmもある超特大個体だった。

昆虫の個体自体は多くはなかったもののなかなか楽しい夜だった。自分は朝の3時ごろに力尽きて就寝した。

Reference
・細谷忠嗣・荒谷邦雄(2006)DNAから見た日本産クワガタムシ13属の系統関係〜大アゴに見られる性
 的二型進化のパターンを探る. 月刊むし, 426: 41-49

2019 ジャワ島(5)はこちら

2019 ジャワ島(5)

5日目(前半)


IMG_2095
車が到着した頃はまだ夜が明けていなかった


某山の麓に着いたのは翌朝5時ごろだった。


近くの民家で朝食をとりながら現地採集人に山での採集状況を聞いた。時期的にコーカサスは発生のピークではないらしいが、昨晩にも複数頭とれているらしく、やればとれるだろうと言われた。

どうやらコーカサスオオカブト自体は年中とれる虫らしく、条件さえ合えばいつでも採集できるようだ。


少しまったりしたあと、8時ごろに山のポイントに向かった(勿論ここからは登山なので徒歩)。

IMG_2105
山の麓付近はコーヒーが栽培されていた

テントやライトラ機材は現地採集人がバイク(?)で持っていってくれた笑
予定してるライトラポイントの標高は約1,200m。。果たして本当にバイクで持っていけるのか不安だったが足とアクセルを上手く使いながら泥の山道を走ってもっていった笑


徒歩組の我々はライトラポイントに向かいながら道中にいる虫を探すことにした。当たり前だが日本の植生とは全く違うのでどこに何がいるのか全くわからない。変な木があればビーティングしたり、水溜りがあればガサってみたりといった感じでやっていたため、必然的に歩くのが遅くなってしまった笑


登山する際にも数人の現地採集人が同行してくれた。登山の道中、彼らのルッキング力にはただただ驚かされてばかりだった。10mの長竿をめいいっぱい伸ばして届くか届かないかの高所にいる虫を目視ですぐに見つけてしまい、葉の裏にいる虫すらもいとも簡単に捕まえてしまうのである。現地採集人、恐るべし!!

スクリーンショット 2019-12-12 18.11.47
現地採集人の長竿

山に入って1時間弱、山の中腹あたりになるとコーヒー畑が急になくなり、原生林が広がり始めていた。虫の種数も一気に多くなり、我々はただひたすらに興奮していた笑

生えている木をひたすらルッキングしていると、山道沿いに生えていた一本の木に何やら大きい甲虫が集まっていた。近寄ってみるとヒメカブトだった!!!

IMG_2116
ヒメカブト
𝑿𝒚𝒍𝒐𝒕𝒓𝒖𝒑𝒆𝒔 𝒈𝒊𝒅𝒆𝒐𝒏 𝒈𝒊𝒅𝒆𝒐𝒏 Linneaus, 1767
マメ科の樹の樹液にきていた。日本のヤマトカブトムシと極めて似た生態をもち、仕草もとても可愛いらしかった。山中から道路沿いの街路樹まで様々な場所でみかけることができた。東南アジア広域に分布し、現在15の亜種が知られている。
 

ヒメカブトは現在植物防疫法によって規制されているため、日本で生体をみることはできない。この後もヒメカブトはいろいろな場所で採集することができたが、生態や動き方などは日本のカブトムシとほとんど同じという印象を受けた。

IMG_2115
原生林の林縁部?によく生えている木
揺らすとヒメカブトがたくさん落ちてきた

原生林内を進んでいくと道中では見なかったような大木が現れてきた。樹種が全くわからなかったが、モミ?のような木の樹液にアクミナートゥスネブトクワガタ𝐴𝑒𝑔𝑢𝑠 𝑎𝑐𝑢𝑚𝑖𝑛𝑎𝑡𝑢𝑠 Fabricius, 1801がたくさん集まっていた。

スクリーンショット 2019-12-12 18.13.25
モミ?の木がたくさん生えていた

そんなこんなで楽しみながら登山していると気づけばライトラのポイントに着いていた。
時刻は昼過ぎでライトラまでかなり時間があったので、更に標高を上げて採集することにした。

同行者は雑甲狙いで材割りを、自分はマルバネを採集したかったので、倒木がたくさんある場所に案内してもらった。


IMG_2134
巨大な倒木
ここではゴミダマを始め多くの雑甲を採集することができた

上の写真の倒木の幹と樹皮の間に多くの雑甲がいたが、クワガタはなかなか見つからなかった。渋々ピッケルで材の中を割るのを試みた。が、これがめちゃくちゃに硬く、なかなか割ることができなかった。粘って材を割っているとクワガタが出てきた!!

IMG_2132
𝐺𝑛𝑎𝑝ℎ𝑎𝑙𝑜𝑟𝑦𝑥 𝑜𝑝𝑎𝑐𝑢𝑠 Burmeister,1847
別名ヨロイサビクワガタ。日本に生息しているヤマトサビクワガタは𝐷𝑜𝑟𝑐𝑢𝑠属に分類されるが本種は𝐺𝑛𝑎𝑝ℎ𝑎𝑙𝑜𝑟𝑦𝑥属に分類されるため系統的に近いわけでは決してない。日本のクワガタでは見られない体表の質感が非常に良い。

IMG_2131
蛹もたくさん出てきた
春が蛹化シーズンなのか??

同じ材から意外なクワガタも見つかった。

IMG_2146
サメハダチビクワガタ
𝐶𝑎𝑟𝑑𝑎𝑛𝑢𝑠 sp.
成虫は1ペアしか見つからなかったものの、幼虫は多くの数を見ることができた。サイズは日本にいるチビクワガタ属(𝐹𝑖𝑔𝑢𝑙𝑢𝑠属)とさほど変わらなかったが本種の方がよりスリムな印象。上翅の筋の感じが素晴らしい。

他の場所でも材割りをしてみた。日本のマルバネクワガタ同様、ジャワ島に生息するラティコリスマルバネクワガタも赤枯れの材で見つかるらしい。ご存知かもしれないが、同じ𝑁𝑒𝑜𝑙𝑢𝑐𝑎𝑛𝑢𝑠属に分類されているとはいえ日本に生息しているサンダースマルバネクワガタ種群とチャイロマルバネクワガタとは系統的には離れているので、生態は少し異なるようだ。

IMG_2144
赤枯れの材割り

ひたすら材を割っても上の材の中からマルバネを見つけることはできなかったが、倒木が接している地面を掘っていくと繭玉がたくさん出てきた。ジャワ島にいるクワガタで繭玉を作るクワガタはマルバネクワガタ属(𝑁𝑒𝑜𝑙𝑢𝑐𝑎𝑛𝑢𝑠属)とツヤクワガタ属(𝑂𝑑𝑜𝑛𝑡𝑜𝑙𝑎𝑏𝑖𝑠 属)だけである。これは...と思いながら繭玉を割っていくものの、30近く出てきた繭玉の中は全て菌に侵されていた。。
よく知り合いのブリーダーの方からマルバネは成虫になる過程で落ちることが多いとよく聞いていたがまさかここまでとは思わなかった。。この材は諦めて別の材を探すことにした。


別の材でもやはり材の中ではマルバネは見つからなかった。今度こそ、と思いながら材の下を掘っていくと幼虫がわんさか出てきた!!

IMG_2142
ラティコリスマルバネクワガタの幼虫
 

成虫いないかなあ、、と思いながら土をひたすら掘ったが、結局成虫は出てこなかった。
現地採集人曰く、ラティコリスマルバネクワガタの発生時期は5月で成虫はこの時期だとまだ厳しいらしい。
やはりまだ早いのかと思いながら土を埋め戻していると、水昆屋のたごめ氏が声をかけてきた。「これなに」と指をさしていた方向にはなんと成虫がいたのだった!!!!!

IMG_2140
ラティコリスマルバネクワガタ
𝑵𝒆𝒐𝒍𝒖𝒄𝒂𝒏𝒖𝒔 𝒍𝒂𝒕𝒊𝒄𝒐𝒍𝒍𝒊𝒔 (Thunberg, 1806)
ジャワ島固有のマルバネクワガタ。ミャンマーやタイなどに分布するブレビスマルバネクワガタやマレー半島からボルネオ島にかけて生息しているキングラトゥスマルバネクワガタに近縁で、単系統群をなすと考えられている。採集方法が確立する以前までは幻のクワガタと呼ばれていた。体格に対して頭部が肥大し、大顎が太短いのが特徴である。跗節や脛節が短いため歩行傾向が強いと考えられている。

最終的に成虫は1ペア捕まえることができた(まさか人生初のマルバネクワガタが外国産になるとは...笑)。

夢中になること数時間、、、日も暮れ始めたのでライトラポイントに戻ることにした。
すでに白幕とライトの準備は整っていたため、近くの林で日没まで高所スイープすることにした。

IMG_2155
日没高所スイープ
夕焼けが無駄に綺麗でエモい

高所スイープでナナフシをいくつかとったあと、ライトトラップを点灯させた。
果たして山の神は飛んでくるか。。

2019 ジャワ島(6)はこちら
2019 ジャワ島(4)はこちら

2019 ジャワ島(4)


4日目(の午後)

4日目の午前中の記事はこちら

午前中はジャワ特産のクワガタが採れて非常に満足だった。
軽くベースキャンプで昼食をとったあと、午後はコーカサスオオカブトの多産地 ・某山に向かうため、一度現地採集人の家に戻る事になった。
ジープで下山途中、自分たちとは別の現地採集人グループと出会った。話を聞くとそのグループはどうもギラファノコギリクワガタを樹液採集していたらしく、その中の一人は100mmはゆうに超える巨大なオスを捕まえていた。

IMG_2663
ギラファノコギリクワガタ亜種𝑏𝑜𝑟𝑜𝑏𝑢𝑑𝑢𝑟
𝑃𝑟𝑜𝑠𝑜𝑝𝑜𝑐𝑜𝑖𝑙𝑢𝑠 𝑔𝑖𝑟𝑎𝑓𝑓𝑎 𝑏𝑜𝑟𝑜𝑏𝑢𝑑𝑢𝑟
Mizunuma et Nagai, 1991
現地採集人採集個体。大顎の太さがえげつない個体だった。

「自己採集品が一番」と思っていたが、この個体を見せられてしまうと少し悔しかった笑

現地採集人の家に向かう道中に良さげな田んぼがあれば、車を停めてもらってひたすらにガサった。田んぼによっては農薬を多く使っているところもあり、なかなか良い田んぼに出会うことができなかった。

IMG_2063
ジャワ島の水田
一見かなり良さげな田んぼに見えるが、農薬のせいか虫は全くいなかった

ガイドによると、現地採集人の家から某山までは車で約8時間かかるらしい。時刻は夕方だったので、出発は深夜にしてそれまでは近くの水田で夜間採集することにした。

昼に見た水田とは違い、農薬を撒いていないためか夜間みた水田には多くのカエルの幼生がいた。これは期待できる...!!と思いながらしばらく掬っていると巨大な水生半翅らしきものが網に入った!!
網の中を覗いてみると、なんとその正体は巨大なタイコウチだった!!!

IMG_2471
インドシナオオタイコウチ
𝐿𝑎𝑐𝑐𝑜𝑡𝑟𝑒𝑝ℎ𝑒𝑠 sp.
日本のタイコウチとは桁違いの大きさだった。大柄な体型だけでなく赤い腹部も大きな特徴の一つ。幼虫も採集することができたが、4令幼虫の時点で日本タイコウチのメスの成虫とほぼ同じくらいの大きさがあった。非常に格好いい。

水生昆虫は他にもオキナワスジゲンゴロウの仲間やシマゲンゴロウの仲間も採集することができた。現地採集人に「この近辺でもギラファを捕まえることができるぞ」と言われたので自分は水昆は早々に切り上げて近くの林で虫を探すことにした。
しかし、林ではさまざまな生き物を見ることができたが、クワガタがいそうな木はなかなか見当たらなかった。

IMG_1601
毒ヘビ?
サイズは日本のヒバカリと同じくらいで、現地採集人によると猛毒をもつらしい。脱皮前なのか眼が白くくすんでいる。


IMG_1597
ヒキガエルの仲間
Bufonidae gen. sp.
田んぼの周りにたくさん生息していた。瞼が大きくてゴツい顔をしていた。

藪漕ぎしながらしばらく探していると、目線の高さの枝先にペットボトルが引っかかっていた。

IMG_2064


民家の近くの林とはいえゴミなど殆どない場所だったため、不思議に思いながら近くに寄ってみてみると中にはなんとギラファノコギリクワガタのオスが入っていた!!!
現地採集人曰く、giraffa trapと言うものらしい。

IMG_2065
giraffa trap
ギラファノコギリクワガタを採集するためのトラップ。驚きなのはペットボトルの中に入っている個体はトラップに引っかかったものではなく、他の大型のオスを集めるために現地採集人が入れた個体だということ。
このタイプのトラップでは中にメスを入れてメスの性フェロモンでオスを誘引するのが一般的だが、ギラファに関してはどうも違うらしい。ギラファは縄張り意識がとても強く、自分のテリトリーに別のオスがいるとそのオスのいる方に集まるらしく(??)、このトラップはその習性を利用したものとのこと。
マンディブラリスフタマタクワガタも同様なトラップで採集することができるらしい。

結局林では某山へ向かう時間になるまでクワガタを見つけることができなかった。

田んぼから現地採集人の家に戻る道中、両脇にある崖状に土が露出した部分でブラックライトで照らしていると、青白く光るものが見えた!!サソリである!!!!!

採ろうとして光を照らすとすぐに巣穴に戻ってしまうのでなかなか捕まえられず、格闘すること数十分、、現地採集人がなにやらヤシの葉を切り出した。どうやらヤシの葉でサソリ専用のかき出し棒が作れるらしい(なぜか他の葉や枝ではうまくいかないらしい)。

IMG_2079
ヤシの葉脈をうまく使うとサソリ専用のかき出し棒ができるらしい

すると今まで苦労していたのが嘘のように大量にサソリを捕まえることができた。

IMG_2068
ヤシの葉でサソリを“釣る”現地採集人

IMG_2071
チャグロサソリ属の一種
𝐻𝑒𝑡𝑒𝑟𝑜𝑚𝑒𝑡𝑟𝑢𝑠 sp.
個体数自体はかなりいた。サイズは一般的に発売されているダイオウサソリと同じくらい。日本で販売されている所謂“チャグロサソリ(アジアンフォレストスコーピオン)”は𝐻𝑒𝑡𝑒𝑟𝑜𝑚𝑒𝑡𝑟𝑢𝑠 属のいくつかの種がまとめて呼ばれているようだ。

IMG_2074
ブラックライトで照らすと青白く光る

某山へ出発する前に、現地採集人の家で夕飯をいただいた。いただいたのは勿論、ナシ・ゴレン!!!

IMG_2082
用意していただいたナシ・ゴレンと鶏肉の塩胡椒炒め
美味しすぎて感動した。ナシ・ゴレンと一緒にあるのは巨大な胡瓜(味は日本のものと同じ)。


食事をとりながら昨晩のライトラの成果や大きなギラファが採れなかったことを現地採集人(一緒に行かなかった方)に報告すると
「俺の部屋見るか?」
と言われた。
意味がよくわからなかったがついていくとそこには夥しい数のギラファがいた!!!

IMG_2084
現地採集人の家の中にある生体管理部屋

インドネシアとは言えクワガタ採集で家計を支えるためにはこれくらいは捕まえないときついらしい(流石にこの時見せてもらったのはかなり採れた方らしい)。段ごとにサイズが違うらしく、左側のラックでは上段が95up〜、中段が90up〜、下段が80〜90だった。エサ兼止まり木としてサトウキビのようなものを与えていた。

夜も遅くなってきたので最終日にまたじっくりみさせてもらうことにして、某山に向けて出発した。 

2019 ジャワ島(5)はこちら。 
2019 ジャワ島(3)はこちら。 

2019 ジャワ島(3)


4日目

野鳥のさえずりとともに起床した。
 
IMG_2001
早朝のライトトラップの様子
レピはまだたくさん白布にくっついていた

起床後一応ライトラの周りを確認したが甲虫はほとんどいなかった。

現地採集人が町で買ってきた朝食を食べてる時に現地採集人の一人に次のようなことを聞かれた。

(現地採集人)「昨晩なぜライトラを点灯させていたのに森の方に行ってたんだ?トイレでもしてたのか?」
(自分)「えっ...虫集まるのに時間かかるからその間森で虫探していました」
(現地採集人)「アホかお前たちは笑 ここは黒豹がたくさんいるんだぞ」


(自分)(先に言えやああ(心の叫び)) 

ジャワ島にはヒョウが生息していることは下調べで把握済みだったがまさかここがまさにその生息地だったとは....
日本とはまた違った緊張感を味わうことができた(以後気をつけて採集しました笑)。

ジャングルなので当然シャワーなどがあるわけないので、水を浴びに近くの沢に向かった。すると、すでに先に沢へ向かった水昆屋のたごめ氏の雄叫びが聞こえた。
なにやらヤバい水生昆虫を見つけたらしく、急いでたごめ氏の元へ向かった。

IMG_2012
発狂するたごめ氏と現地採集人

たごめ氏が発狂していた場所は沢の淀みだった。恐る恐るたごめ氏の指差す方向を見てみるとなんとミズカマキリがいたのである!!!
ご存知の方も多いと思うが、本来ミズカマキリは休耕田やため池といった止水域を好む。しかしこのミズカマキリは流水域にいたのである!!さらにすごいことにこの場所で成虫と幼虫が同所的に採集することができたのである!!!つまり、この種はこの沢で繁殖している可能性が極めて高いと言える(そもそもこの沢はジャングルの奥地の谷のようなところにあるので周りにミズカマキリの発生源となりそうな止水域が殆どない)。

IMG_2659
ナガレミズカマキリ(仮称)
𝐶𝑒𝑟𝑐𝑜𝑡𝑚𝑒𝑡𝑢𝑠 sp.
日本に生息するミズカマキリが属する𝑅𝑎𝑛𝑎𝑡𝑟𝑎属と比べて𝐶𝑒𝑟𝑐𝑜𝑡𝑚𝑒𝑡𝑢𝑠属は呼吸管が極端に短く、体の横幅が広いのが特徴的。𝐶𝑒𝑟𝑐𝑜𝑡𝑚𝑒𝑡𝑢𝑠属のグループは日本には生息していないが台湾には𝐶𝑒𝑟𝑐𝑜𝑡𝑚𝑒𝑡𝑢𝑠 𝑏𝑟𝑒𝑣𝑖𝑝𝑒𝑠Montandon, 1909 が生息している。

本種は沢の淀みで見つかったわけだが、沢自体の水量は非常に多く、流れもそれなりに早かった(少なくとも普通のミズカマキリが生息できるような場所ではない)。

IMG_2009
水の透明度が高く、冷たかった

IMG_2021
ナガレミズカマキリを採集した沢の淀み
かなり浅い場所だったが、雨が降れば間違いなく増水するような場所だった。

他に何か変な水生昆虫がいないか沢沿いをガサっていくと休耕田?のような場所に出た。

IMG_2028
オランダガラシ?を栽培している水田?休耕田?

田んぼで採集するいつもの要領で畔沿いをひたすらガサっていくと....

IMG_2031

これは?!?!?!
もしやスジゲンゴロウ?!?!?!?!?!
国内絶滅種のスジゲンゴロウが採れてここでまた一同大興奮!!!!!
しかし、後日調べてみるとスジゲンゴロウではなくオキナワスジゲンゴロウの近縁種の可能性が高いことがわかった。何れにせよ採集できて嬉しい種だった。

IMG_2479
オキナワスジゲンゴロウの仲間
𝐻𝑦𝑑𝑎𝑡𝑖𝑐𝑢𝑠 sp.
側縁部に伸びる二本の黄色いラインの重なる位置がスジゲンゴロウ𝐻𝑦𝑑𝑎𝑡𝑖𝑐𝑢𝑠 𝑠𝑎𝑡𝑜𝑖にしては前寄りなので、スジゲンゴロウというよりオキナワスジゲンゴロウの近縁種ではないかと考えられる。南西諸島に生息するのオキナワスジゲンゴロウも水田や休耕田、浅い湿地などを好む傾向がある。

そんなこんなで早朝からテンション爆上がりのまま午前中は同じ森で𝐷𝑜𝑟𝑐𝑢𝑠狙いで採集することにした。

スクリーンショット 2019-11-25 16.46.47
ジャングルを突き進む現地採集人

道無き道を藪漕ぎすること約1時間...目の前に巨木が現れた。この巨木、近寄ってみると樹皮に多くのメクレがあった。現地採集人によると titanus trap というものらしく、狭いところが好きなヒラタクワガタ(ここではダイオウヒラタとタウルスヒラタ)の性質を利用した仕組みになっているらしい。仕組みといっても非常に単純なもので、ナタを下から上にむかっていれることで樹皮を残しつつ隙間ができれば完成らしい。また、ナタをいれた時にできる傷から樹液が滲み出るらしく、よりクワガタが集まりやすいのだとか。

IMG_2040
titanus trap が仕掛けられた巨木

IMG_2048
titanus trap

良さげな巨木が出るや否や現地採集人はすぐに木を登り始めた。これまた素足でスイスイと登っていくから驚きである。

IMG_2041
木を登る現地採集人

現地採集人は高所の titanus trap に集まってるクワガタをかき出し棒で取ってくれるらしく、しばらく木を登っているのを見守っていると何か黒い物体が上から落ちてきた。
「まだ現地採集人は登っている途中なのにいったい何が落ちてきたんだ..」
じっくり林床を探していると、落ち葉の上に黒い物体が鎮座していた。なんと黒い物体の正体はリツセマオオクワガタだった!!!!

IMG_2037
リツセマオオクワガタ
𝐷𝑜𝑟𝑐𝑢𝑠 𝑟𝑖𝑡𝑠𝑒𝑚𝑎𝑒 𝑟𝑖𝑡𝑠𝑒𝑚𝑎𝑒 Oberthür et Houlbert, 1914
以前はパリーオオクワガタ𝐷. 𝑝𝑎𝑟𝑟𝑦𝑖と呼称されていたが1998からはリツセマオオクワガタと呼称されるようになった。オオクワガタ亜属に分類され、現在7つの亜種が知られている。ジャワ島には東部に基亜種が、西部にジャワ島西部亜種𝐷. 𝑟. 𝑘𝑎𝑧𝑢ℎ𝑖𝑠𝑎𝑖 Tsukawaki, 1998が生息している。西部亜種は近縁種であるクルビデンスオオクワガタ𝐷. 𝑐𝑢𝑟𝑣𝑖𝑑𝑒𝑛𝑠 (Hope, 1840)に最も類似しており、個体数はとても少ない。

リツセマオオクワガタの登場によりここでまたメンバーのテンションが一気に爆上がりした笑
自分は野外で生きている状態のオオクワガタを今まで見たことがなかったので昨晩のギラファを採集した時と同じ、もしくはそれ以上に感動した。

IMG_2044
かき出し棒でクワガタを探す現地採集人

どうやらこの木は当たりだったらしく、多数のダイオウヒラタクワガタやタウルスヒラタクワガタを捕まえることができた。リツセマオオクワガタも少数ながらもメンバー全員分の個体数を確保することができた。
他の木も同じようなかんじで採集し続けると、今まで見たことないくらい大きなクワガタが目の前を落下した。急いで駆け寄って見てみると、なんとそれはダイオウヒラタクワガタの巨大なオスだった!!

IMG_2052
ダイオウヒラタクワガタ
𝐷𝑜𝑟𝑐𝑢𝑠 𝑏𝑢𝑐𝑒𝑝ℎ𝑎𝑙𝑢𝑠 (Perty, 1831)
82mm。ジャワ島固有種。一般的なヒラタクワガタとは異なり、低地ではなく原生林が残る標高1200m〜2000m付近の高地に生息している。東南アジアにはオオヒラタクワガタ𝐷. 𝑡𝑖𝑡𝑎𝑛𝑠 spp.が生息しているがジャワ島には生息していないため、本種がジャワ島におけるオオヒラタクワガタの代置種となっている。
東部と中部では大顎の形態に差異があるとされており、また、本種と台湾固有のミヤマヒラタクワガタ𝐷. 𝑘𝑦𝑎𝑛𝑟𝑎𝑢𝑒𝑛𝑠𝑖𝑠はスジブトヒラタクワガタ𝐷. 𝑚𝑒𝑡𝑎𝑐𝑜𝑠𝑡𝑎𝑡𝑢𝑠 Kikuta, 1985の近縁種とされている。

大顎の湾曲がオオヒラタクワガタとはまた違った味を出しており、とても良い虫だった。

IMG_1479
この巨木では多くのタウルスヒラタクワガタが採れた

3時間ほど採集し、ベースキャンプに戻る道中で面白いクモがいた。

IMG_1481
トゲグモの仲間
𝐺𝑎𝑠𝑡𝑒𝑟𝑎𝑐𝑎𝑛𝑡ℎ𝑎 sp.
日本にも𝐺𝑎𝑠𝑡𝑒𝑟𝑎𝑐𝑎𝑛𝑡ℎ𝑎属の仲間は生息しているが、全体的に地味な色をしており、角が短い。亜熱帯地域の𝐺𝑎𝑠𝑡𝑒𝑟𝑎𝑐𝑎𝑛𝑡ℎ𝑎属はこの個体のように角が大きく発達するものや派手な色をしているものが多い。長い角を持っている種では角の長さゆえに網が垂れ下がってしまうものもいるらしい。

図鑑でしか見たことがないようなクモがまさか実物で見つけることができるとは......
ジャワ島の“本気”を見た4日目の午前中だった(まだ午前中)。

2019 ジャワ島(4)はこちら
2019 ジャワ島(2)はこちら

2019 ジャワ島(2)

 
3日目

「流石に今日こそは東ジャワに移動できるよな...」と一抹の不安を抱えつつ、二日目同様朝早くに空港へ向かった。
グランドスタッフに確認してみたら、どうやら今日は本当にフライトがあるらしく安心した笑

IMG_1888
乗った飛行機
ガルーダ・インドネシア航空は日本でいうJALぐらい大手な航空会社らしい

ジャカルタのスカルノ・ハッタ国際空港からジャワ島東部のバニュワンギまでのフライトは約1時間20分(横の席に座った方が巨漢で鼻息が荒く、これがなかなか地獄だった笑)と意外と長いフライトだったが、朝も早かったためかすぐに寝てしまった。

IMG_1894
ジャワ島中部の風景
屋根が茶色のレンガでできた平屋が多い印象

日本からジャワ島に向かった時と同様、この時も目が覚めた頃には機体は着陸態勢に入っていた。機体のウイングが窓から見た感じだとかなり錆びついているように見えて少し不安だった笑。

IMG_1904
バニュワンギ空港
屋根に芝が生えているというとてもお洒落な空港だった 

IMG_1912
空港にて
この空港まではWi-Fiが使えたが、ここから4日間ほどはWi-Fiがなくスマホが一切使えなくなった。
 

空港では現地採集人が出迎えてくれており、車で彼らの家に向かうことになった(ちなみにこの現地採集人たちは、野外採集した昆虫を日本に輸入する業者に卸売りをしていた)。

バニュワンギは首都のジャカルタから離れたとはいえ交通量は多く、すぐには到着しなさそうだったので途中で昼食をとることにした。

IMG_1926
ナシゴレン
店や地域によって辛さや具材が変わっていて、とにかく美味しい!!

昼食をたらふく食べたところで再び現地採集人の家へ向かった。現地採集にの家に着いたのは15時を過ぎていた。この日は夜にギラファノコギリクワガタの産地でライトトラップする予定だったので、現地民とカタコトな英語で虫の話をして少し盛り上がったあとすぐにバックパックから荷物を解体して採集の準備をした。

IMG_1942
現地採集人の家
なんでもクワガタ採集のみで家を建てたらしい

ライトトラップのポイントまではジープに乗せてもらって移動することになった(なんでも採集ポイントは途中舗装されてない道を通らないといけないらしい)。
このジープも二日目のバンと同じくなかなかなものだった。。笑
逆走などをしたわけではないが、このジープ、とにかくボロい笑
採集ポイントに行くまでなんと3回もギアが外れたのである。道端でクラッチを使い、噛み直す作業を繰り返しながら採集場所に向かったわけだが、人手が足りない時は近くの住民(勿論誰も知り合いではない)と一緒に車を押してクラッチを入れ直していた笑(山道で鳴らなくて本当に良かった)

IMG_1944
乗ったジープ
ドアは運転席と助手席しかないので助手席から中に入った

採集ポイントに着いた頃は辺りは真っ暗だった。ここでさらにプチハプニングが発生。採集場所までは我々を乗せたジープと採集道具,現地採集人数名を乗せたジープ二台で向かったわけだが、現地採集人を乗せた車が来ないのである!!!どうやら道に迷っていたらしく、自分達が着いてから約40分後に着いた。

IMG_2060
採集地の入り口(写真は4日目に撮影)

夜が更け始めていたので、メーバーが揃い次第すぐに山奥へ入っていった。山道を40分ほど歩いたところでライトトラップのポイントに着いた。
ポイントに着くやいなや現地採集人が手早く木を切り始め、あっという間にライトトラップが立ち上がった(本当に早かった)。

IMG_1976
ライトトラップの様子

また、ここでは現地採集人の手際の良さだけでなく大胆さも垣間見ることができた笑 どういうことかというと、ライトトラップは反対側の山を照らすような位置に張られていたわけだが、ライトラの近くに大きな木の枝が邪魔していた。それを現地採集人に指摘すると、なんと素足でその木に登り、チェーンソーで枝を切ってしまったのである!! 
このおかげで我々のライトラを邪魔するものは一切なくなった。

IMG_1972
スイスイと木を登る現地採集人
この人は現地採集人の中でもトップクラスの木登り名人らしい

どうやらこの日はコンディションがイマイチらしく、虫の集まりはショボかった。1時間経っても暫く虫の集まりに変化はなかったのでここで夜食を取ることにした。
夜食後ライトラ付近を再び徘徊すると、布の後ろに何か黒い影見えた。恐る恐る近づいてみると...

「おおおおおおおおお」

IMG_1982
ギラファノコギリクワガタ亜種𝑏𝑜𝑟𝑜𝑏𝑢𝑑𝑢𝑟
𝑃𝑟𝑜𝑠𝑜𝑝𝑜𝑐𝑜𝑖𝑙𝑢𝑠 𝑔𝑖𝑟𝑎𝑓𝑓𝑎 𝑏𝑜𝑟𝑜𝑏𝑢𝑑𝑢𝑟 Mizunuma et Nagai, 1991
マンディブラリスフタマタクワガタと並び世界最大のクワガタムシにして今回の遠征の最大の目標種。種小名の𝑔𝑖𝑟𝑎𝑓𝑓𝑎はキリンを意味する。ギラファノコギリクワガタには多くの亜種が知られており、亜種間では大顎の形態に差が見られる。今回採集した個体は基亜種ではなくジャワ島,バリ島,スマトラ島南部亜種に分類され、大顎が太いのが大きな特徴である。

これにはとても感動した。クワガタに魅了されてはや15年、、、小学生の時ムシキングで初めてゲットした強さ200のカードがこのクワガタだった。自分のクワガタ好きがより一層強くなるきっかけとなった存在にまさか本当に野外で出会えるとは。。。この感動は死ぬまで忘れることができないだろう。

それから30分後。

IMG_1990
ギラファノコギリクワガタ亜種𝑏𝑜𝑟𝑜𝑏𝑢𝑑𝑢𝑟
𝑃𝑟𝑜𝑠𝑜𝑝𝑜𝑐𝑜𝑖𝑙𝑢𝑠 𝑔𝑖𝑟𝑎𝑓𝑓𝑎 𝑏𝑜𝑟𝑜𝑏𝑢𝑑𝑢𝑟 Mizunuma et Nagai, 1991
最初に捕まえた個体よりもやや小型だった。

またしてもギラファが飛来した。
この後もポツポツと飛来し、同行者も採集することができた。
クワガタ以外にはこんな虫が飛来してきた。

IMG_2655
シャチホコガ科の仲間
Notodontidae gen. sp.

IMG_2653
フトメイガ亜科の仲間?
Epipaschiinae gen. sp. ? 

IMG_2649
フクラスズメの仲間
𝐴𝑟𝑐𝑡𝑒 sp.

IMG_2648
ホシミスジエダシャクの仲間
𝑅𝑎𝑐𝑜𝑡𝑖𝑠 sp.

IMG_2647
スジモンヒトリの仲間
𝑆𝑝𝑖𝑙𝑎𝑟𝑐𝑡𝑖𝑎 sp.

IMG_2646
アシナガバエ科の仲間
Dolichopodidae gen. sp.

IMG_2627
チズモンアオシャクの仲間
𝐴𝑔𝑎𝑡ℎ𝑖𝑎 sp.

IMG_2641
ブドウスズメの仲間?
𝐴𝑐𝑜𝑠𝑚𝑒𝑟𝑦𝑥 sp. ?

IMG_2639
シャチホコガ科の仲間
Notodontidae gen. sp.

IMG_2638
ツマジロエダシャクの仲間
𝐾𝑟𝑎𝑛𝑎𝑛𝑑𝑎 sp.

IMG_2634
クロスジノメイガの仲間
𝑇𝑦𝑠𝑝𝑎𝑛𝑜𝑑𝑒𝑠 sp.

IMG_2631
スジベニコケガの仲間
𝐵𝑎𝑟𝑠𝑖𝑛𝑒 sp.

IMG_2630
ゴマケンモンの仲間
𝑀𝑜𝑚𝑎 sp.

IMG_2619
ヤママユの仲間
𝐴𝑛𝑡ℎ𝑒𝑟𝑎𝑒𝑎 sp.

IMG_2621
ホソバスズメの仲間
𝐴𝑚𝑏𝑢𝑙𝑦𝑥 sp.

しかし22時過ぎくらいからは全く飛来しなくなってしまった。結局ライトラを見ては周辺の森で虫を探す、というのを27時くらいまでやったがこれ以降クワガタが採れることはなかった。
そして自分はライトトラップの横で寝落ちしてしまった。 

2019 ジャワ島(3)はこちら
2019 ジャワ島(1)はこちら。 

2019 ジャワ島(1)


春の沖縄遠征では2019 沖縄島#1でも述べたが大学のサークルの春合宿で参加した。すでに観た方もいると思うが春の沖縄はクワガタ採集は惨敗だった。

南といえどまだ3月。クワガタには流石に早すぎたようだ(当たり前)。
とうことでこの春休みはさらに南下することにした。

行き先はインドネシアはジャワ島!!!
目標種はそう、ムシキング世代なら誰でも知っているギラファノコギリクワガタとコーカサスオオカブトである!!

 前置きはここまでにして早速本編に入ろう。


1日目

今回は有志5人でジャワ島へ向かった。(以下ではメンバーをオキシドール氏、たごめ氏、T氏、K氏と呼称する)
採集目的での海外遠征は初めてで何かと不安だったので今回は飛行機を格安航空ではなくJALを利用した。

IMG_1749
搭乗した飛行機
客は自分たち以外全員インドネシア人だった

IMG_1750
機内食
意外と量があって驚いた

さすがJALと言うべきか機内食はかなり充実しており、座席モニターで観れる映画もいろいろなものがあった。(The Greatest Showmanをここで初めて観て心底感動した(どうでも良い))ちなみに往路で乗った機体は最新機種だったらしく、窓のブラインドはボタン式で光の透過率(もしくは屈折率?)を変えて窓の明るさを調節することができ、これにとても驚いた。
そんなこんなで気付けば機体は着陸態勢に入っており、ジャカルタのスカルノハッタ国際空港に着いた時は現地時間で25時半を過ぎていた。

IMG_1762
ジャカルタの夜景
深夜なのにも関わらず東京並みに街が明るかった

入国審査を受け、今回の遠征の案内をしてくれるガイドの方と合流し、この日はビジネスホテルに宿泊した。


2日目

今回の遠征は主にジャワ島東部で採集する予定だったため、二日目も再び飛行機で移動することになっていた。午前中に発つ便だったので、深夜遅くチェックインしたのにも関わらず起床は7時となってしまい少しキツかった笑

IMG_1763
ナシ・ゴレン
ピリ辛が効いた炒飯のような味でとても美味しい

IMG_1766
ジャカルタ近郊の市街地
平屋造りが多く、交通量と気温が高いためか埃っぽかった

しかし、ここで今回の遠征で1個目のトラブルが発生した(今回の遠征では様々なトラブルが生じたのでここでのトラブルは“1個目のトラブル”としておく笑)。

今回利用した航空会社はガルーダインドネシア航空(一応五つ星(?)らしい)で、バックパックをカウンターで預けて保安検査場を通過するまではいつも通りだった。しかし、いくら搭乗口で待ってても自分たち以外の客がみつからないのである。

電光掲示板には乗る飛行機の便も表示されていたのになぜか客は自分たちしかいない。。なぜだろうと思いグランドスタッフの方と話していると衝撃的な事実が発覚した。

グランドスタッフが我々に行ったセリフ....それは..........

「お客様がお持ちの搭乗券に記載されている便は今日ではなく明日の便です」

「えっ..?」「日付が今日なんだが..」
「申し訳ないです。こちらの手違いで本来予定のない便の航空券を販売していました..」 
「??????????」

というわけで二日目はジャカルタに滞在することになってしまった...笑
流石に航空会社側に落ち度があるということでホテルを手配してくれた。

せっかくの時間が勿体無いということで早速ホテルに荷物を置きに行った。空港からホテルまではホテルのバンに乗って行くことになったがこのバンがなかなかなものだった.....笑

IMG_1774
色々とすごかったバン

ジャカルタは世界でもトップクラスの人口密集地である。ゆえに渋滞は日常茶飯事らしく、案の定ホテルに向かう際に我々も渋滞につかまってしまった。なかなか進まないなあと思っていたら急に進み始めたので何が起きたのかと思って外を見たらなんと逆走していた笑
おいおい....と思っていたがなぜか対向車が来ない。のちにわかったのだがどうやらホテルからチップをもらってる青年がわざわざ我々のために対向車を止めていたらしい笑(すごいぞ!四つ星ホテル!(違う))

IMG_1776
航空会社が用意してくれたホテル
なんと四つ星!!

IMG_1780
部屋の様子
無駄に広く、シャワールームはガラス張りだった
 
そんなこんなでホテルに着くや否や早速フィールドに向かうことになった。

と言っても当初予定のないスケジュールになってしまったので行き先をどこにするかとても悩んだ。ジャカルタ近郊はインドネシアの首都なだけあって開発がかなり進んでおり、森や林は近くには見当たらなかった。そこで我々はGoogle Mapの航空写真で見つけた近くの水田にタクシーで向かうことにした。

IMG_1783
水田につづく農道の轍
水温は40℃近くあったがオタマジャクシや水生昆虫がいた

IMG_2595
シマゲンゴロウ属の一種?
𝐻𝑦𝑑𝑎𝑡𝑖𝑐𝑢𝑠 sp. ?
上の写真の轍にいた。水温はかなり高かったが元気よく泳いでいた。上翅の色を黒くしたウスイロシマゲンゴロウのような色合いをしており、サイズ感もほぼウスイロシマゲンゴロウと同サイズだった。

IMG_2571
ジャワコオイムシ(仮称)
𝐷𝑖𝑝𝑙𝑜𝑛𝑦𝑐ℎ𝑢𝑠 sp
上の写真の轍にかなりの密度で生息していた。日本にいるコオイムシ𝐴𝑝𝑝𝑎𝑠𝑢𝑠という別のグループに属する。本種が属するグループは東南アジアに分布し、丸くて小さい体型をしている。三角の形をしている複眼が特徴的である。

田んぼに着くやいなやメンバー全員はしゃいで虫を探し始めた。言い忘れていたが今回のメンバーの専門はそれぞれオキシドール氏:甲虫全般、たごめ氏:水生昆虫、T氏:クワガタ,カマキリ、K氏:生き物全般である。
水昆好きのたごめ氏は特に興奮していた。

IMG_1793
ジャカルタの水田
この地域の稲はまだ小さかったため許可を得て休耕田でガサった 

IMG_1799
ジャワコオイムシ(仮称)
𝐷𝑖𝑝𝑙𝑜𝑛𝑦𝑐ℎ𝑢𝑠 sp
子を背負っている個体も見かけることができた。

IMG_1792
スリースポットグラミー
𝑇𝑟𝑖𝑐ℎ𝑜𝑔𝑎𝑠𝑡𝑒𝑟 𝑡𝑟𝑖𝑐ℎ𝑜𝑝𝑡𝑒𝑟𝑢𝑠
水田の用水路にて。ひと掬いすれば必ず1匹はとれるくらいの個体数がいた。グラミーの仲間は上鰓器官を持ち、乾季の高水温と酸素不足に適応している。日本では他のグラミーと共に熱帯魚として輸入されることが多い。 

IMG_1802
グラミーはキノボリウオと一緒にかなりの個体数を見かけることができた

IMG_1819
ヒラオヤモリの仲間?
𝐻𝑒𝑚𝑖𝑑𝑎𝑐𝑡𝑦𝑙𝑢𝑠
sp. ? 
民家よりも樹皮下でよく見かけた。尾が扁平なのでヒラオヤモリの仲間だと思われる。

IMG_1818
サイカブトの仲間
𝑂𝑟𝑦𝑐𝑡𝑒𝑠 sp.
網に引っかかっていた。完品のオスだったがあまりにも複雑に絡まっていたのでとるのは断念した。

IMG_1817
イナゴ科の一種
𝐶𝑎𝑡𝑎𝑛𝑡𝑜𝑝𝑖𝑑𝑎𝑒 gen. sp.
今まで見たことないくらい巨大だった。体長は大型のショウリョウバッタに匹敵するほど。全身山吹色をしているが下翅は赤い。

実は3月のジャワ島は日差しの強さが半端ではなく、冬明けの我々の体にはかなりこたえていた。笑
そこで一時間ほど採集したら休憩がてらタクシーに戻り、休んでいる間に別のポイントへ向かうことにした。次に向かった場所は水田ではないが用水路がたくさんあるヨウサイの畑である。ここで栽培されているヨウサイは湿地性らしく、畑の側にたくさんの用水路が引かれていた。

IMG_1839
ヨウサイ𝐼𝑝𝑜𝑚𝑜𝑒𝑎 𝑎𝑞𝑢𝑎𝑡𝑖𝑐𝑎 Forsskal.の畑
日本ではあまり馴染みのない農作物だが東南アジアで多く栽培されている。日本には沖縄経由で九州に渡来した。

IMG_1840
実際の作業の風景
用水路の水を農作物にかけていた

東南アジアならどこでもそうなのかもしれないが、ジャワ島では野良犬がかなり多かった。狂犬病の心配もあったためあまり近づかないように気をつけていたが、このヨウサイ畑では一匹の飼い犬(?)がいた。
この犬がなかなかしつこく、部外者である我々を執拗に追いかけてきて少し怖かった笑

IMG_1838
イッヌ
部外者であるこちらは警戒してずっと追ってきた

IMG_1846
デルモゲニーの仲間
𝐷𝑒𝑟𝑚𝑜𝑔𝑒𝑛𝑦𝑠 sp.
淡水性のサヨリ科の魚で東南アジアに広く分布する。その風貌から小型のアリゲーターガーとも称されている。品種改良されたゴールデンデルモゲニーが熱帯魚として現在流通しており、単価が安くて飼育も容易なので初心者にオススメな入門種である。日本でいうメダカのような存在だった。

IMG_1862
マダラロリカリア
𝑃𝑡𝑒𝑟𝑦𝑔𝑜𝑝𝑙𝑖𝑐ℎ𝑡ℎ𝑦𝑠 𝑑𝑖𝑠𝑗𝑢𝑛𝑐𝑡𝑖𝑣𝑢𝑠 (Weber, 1991)
アマゾン川、マデイラ川原産のナマズ目の熱帯魚である。アメリカや日本、シンガポールなど世界各国に移入されており、定着している。
日本では外来生物法に基づいて要注意外来生物に指定されている。 


IMG_1865
夢中になるたごめ氏

IMG_1856
エサキタイコウチ
𝐿𝑎𝑐𝑐𝑜𝑡𝑟𝑒𝑝ℎ𝑒𝑠 𝑚𝑎𝑐𝑢𝑙𝑎𝑡𝑢𝑠 (Fabricius, 1775)
ヨウサイ畑の用水路にて。与那国島に分布しているエサキタイコウチは暗くて浅い湿地帯に生息しているが、この個体がいた用水路は物陰がなくて明るかった。また、ある程度の水深もあったことから日本のものとは少し生態が違うようだ。

IMG_2585
ミズカマキリの仲間
𝑅𝑎𝑛𝑎𝑡𝑟𝑎 sp.
田んぼやヨウサイ畑の水路などで見かけることができた。マダラアシミズカマキリとかなり似た姿形をしていたが脚に斑紋は見られなかった。ヒメミズカマキリよりもやや大きい程度の大きさで、浅い場所を好んで生息していた。とても可愛らしいミズカマキリだった。

メンバー全員夢中で採集していたらすでに19時近くになっていた。次の日は本来乗るはずだった飛行機に乗らなければいけないため、この日は早めに切り上げてホテルで晩飯をとった。

IMG_1876
ナシ・ゴレン(1)

IMG_1877
ナシ・ゴレン(2)
黒いのは胡椒のきいた青椒肉絲のようなものでとても美味しかった

IMG_1874
東南アジアでは有名(?)なビール

IMG_1875
中でもこの“BINTANG”というビールはとても美味しかった

夜間街灯巡りをしようとしたがスコールが降ってしまい断念。次の日に備えてこの日は早く寝ることにした。

2019 ジャワ島(2)はこちら

2019 沖縄島#1(3)


4日目

2日目、3日目と2日連続で無茶をしたためこの日は起床がとても辛かった笑
まるまる一日採集できるのはこの日が最後だったため、この日はゲンゴロウを主に採集することにした。

IMG_1566
イシガケチョウ
𝐶𝑦𝑟𝑒𝑠𝑡𝑖𝑠 𝑡ℎ𝑦𝑜𝑑𝑎𝑚𝑎𝑠 (Boisduval, 1836)
道端に生えていたクワ科(?)の低木にいた。背中の突起が可愛らしい。

田んぼに到着したが何やら本土は違う作物(?)が植えられていた。田んぼ自体は水がかなり少なかったため、休耕田を探すことにした。

IMG_1609
よくわからない植物の水田
このような田んぼがたくさんあった
 
近くにいた農家らしき人に声をかけて許可をいただき、見つけた休耕田でガサガサすると微小種が山ほど採集することができた。そして地味に探していたコガタノゲンゴロウとトビイロゲンゴロウも見つけることができて少し嬉しかった。(トビイロの写真は撮り忘れました笑)

IMG_1613
わずか数分でこの量が採れた

IMG_1616
コガタノゲンゴロウ
𝐶𝑦𝑏𝑖𝑠𝑡𝑒𝑟 𝑡𝑟𝑖𝑝𝑢𝑛𝑐𝑡𝑎𝑡𝑢𝑠 𝑜𝑟𝑖𝑒𝑛𝑡𝑎𝑙𝑖𝑠𝑠 
Gschwendtner,1931
日本に生息している𝐶𝑦𝑏𝑖𝑠𝑡𝑒𝑟属の中では最も広域分布種で、八重山地方から本州まで広く分布している。近縁種のマルコガタノゲンゴロウとは腹面の色と体型で識別することができる。 

 
IMG_1617
数があまりにも多いのでざっと種名だけ。。
ウスイロシマゲンゴロウ𝐻𝑦𝑑𝑎𝑡𝑖𝑐𝑢𝑠 𝑟ℎ𝑎𝑛𝑡𝑜𝑖𝑑𝑒𝑠
Sharp, 1882、ヒメゲンゴロウ𝑅ℎ𝑎𝑛𝑡𝑢𝑠 𝑠𝑢𝑡𝑢𝑟𝑎𝑙𝑖𝑠 (Macleay, 1825)、シャープツブゲンゴロウ𝐿𝑎𝑐𝑐𝑜𝑝ℎ𝑖𝑙𝑢𝑠 𝑠ℎ𝑎𝑟𝑝𝑖 Regimbart, 1889、ウスチャツブゲンゴロウ𝐿𝑎𝑐𝑐𝑜𝑝ℎ𝑖𝑙𝑢𝑠 𝑐ℎ𝑖𝑛𝑒𝑛𝑠𝑖𝑠 Boheman, 1858、コマルケシゲンゴロウ𝐻𝑦𝑑𝑟𝑜𝑣𝑎𝑡𝑢𝑠 𝑎𝑐𝑢𝑚𝑖𝑛𝑎𝑡𝑢𝑠 Motschulsky, 1859(?)、コガタガムシ𝐻𝑦𝑑𝑟𝑜𝑝ℎ𝑖𝑙𝑢𝑠 𝑏𝑖𝑙𝑖𝑛𝑒𝑎𝑡𝑢𝑠 𝑐𝑎𝑠ℎ𝑖𝑚𝑖𝑟𝑒𝑛𝑠𝑖𝑠 Redtenbacher, 1844、シナコガシラミズムシ𝑃𝑒𝑙𝑡𝑜𝑑𝑦𝑡𝑒𝑠 𝑠𝑖𝑛𝑒𝑛𝑠𝑖𝑠 (Hope, 1845)

途中雨が降ってきたので水田ガサガサはこれ以上はせずにやんばるに向かうことにした。(今回の遠征では迷ったらとりあえずやんばるに向かうようにしていた笑)
この日は今まで行ったことのないルートを通ってイシカワガエルポイントに向かっていたが、途中にイタジイの大木が密集してるかなり環境の良い場所があった。
「季節が秋ならオキマルがなあ...」と思いつつ沢をチェックしながら車を進めていった。

IMG_1607
やんばるの奥地
鬱蒼としたジャングルみたいなところがまた良い

IMG_1606
オキナワキノボリトカゲ
𝐷𝑖𝑝𝑙𝑜𝑑𝑒𝑟𝑚𝑎 𝑝𝑜𝑙𝑦𝑔𝑜𝑛𝑎𝑡𝑢𝑚 𝑝𝑜𝑙𝑦𝑔𝑜𝑛𝑎𝑡𝑢𝑚 Hallowell, 1861 
普段はこのように細い木の枝などにいる。

IMG_1522
リュウキュウカジカガエル
𝐵𝑢𝑒𝑟𝑔𝑒𝑟𝑖𝑎 𝑗𝑎𝑝𝑜𝑛𝑖𝑐𝑎 (Hallowell, 1861)
今回の遠征で見たカエルの中で一番水辺を好んでいた印象。流水大好きガエル。

イシカワガエルを見た後色々な両爬を観察していたら日がすっかり暮れてしまった。今までで一番天気が良かったのでこの日はダムに向かうことにした。

IMG_1629
ブラーミニメクラヘビ
𝐼𝑛𝑑𝑜𝑡𝑦𝑝ℎ𝑙𝑜𝑝𝑠 𝑏𝑟𝑎𝑚𝑖𝑛𝑢𝑠 (Daudin, 1803)
駐車場近くの側溝にて同行者が発見。にほに唯一生息するメクラヘビ科のヘビである。一見ミミズと勘違いしそうだが、よくみると体節はなく鱗が生えている。眼は非常に退化的で、光のみ受容できると考えられている。本種はメスのみの単為生殖で繁殖することが知られており、シロアリなどの小型節足動物を捕食する。アジア南東部原産の外来種である。

IMG_1637
オキナワトラフハナムグリ
𝑃𝑎𝑟𝑎𝑡𝑟𝑖𝑐ℎ𝑖𝑢𝑠 𝑑𝑢𝑝𝑙𝑖𝑐𝑎𝑡𝑢𝑠 𝑜𝑘𝑖𝑛𝑎𝑤𝑎𝑛𝑢𝑠 Nomura, 1959
山地性の小型のハナムグリで主にホソバシャリンバイといった花に訪花する。出現期は4月〜5月。
オオシマオオトラフハナムグリ沖縄諸島亜種

IMG_1641
ホオグロヤモリ
𝐻𝑒𝑚𝑖𝑑𝑎𝑐𝑡𝑦𝑙𝑢𝑠 𝑓𝑟𝑒𝑛𝑎𝑡𝑢𝑠 Duméril et Bibron, 1836
市街地の自動販売機にて。個体数はかなり多い。(あまり書くことがない...笑)

IMG_1644
ガラスヒヴァ
𝐻𝑒𝑏𝑖𝑢𝑠 𝑝𝑟𝑦𝑒𝑟𝑖 (Boulenger, 1887)
愛くるしい目からわかるようにヒバカリ属に分類される。 近年有毒であることが判明し、牙が小さいため弱毒とされているが、デュベルノワ腺から分泌される蛋白毒そのものは猛毒である。 和名は沖縄の方言「カラスヘビ」に由来する。

翌日は帰京する予定だったので早めに引き上げることにした。
宿に戻ると他の班もすでにだいぶ戻ってきており、それぞれの成果の報告会となっていてとても楽しかった。(そして自分はオリオンビールを握ったまま寝落ちした)



5日目

いよいよ東京へ帰る日になったが、那覇を発つのは17時だったので午前中はまた性懲りなくやんばるへ向かった。良さげなシリケンイモリと出会ったところでタイムアップとなった。

IMG_1645
シリケンイモリ(沖縄個体群)
𝐶𝑦𝑛𝑜𝑝𝑠 𝑒𝑛𝑠𝑖𝑐𝑎𝑢𝑑𝑎 (Hallowell, 1861)
 
IMG_1653
ノグチゲラ 𝑆𝑎𝑝ℎ𝑒𝑜𝑝𝑖𝑝𝑜 𝑛𝑜𝑔𝑢𝑐ℎ𝑖𝑖 (Seebohm, 1887) の巣穴
まさにビギナーズラック!!(といってもこれも同行者が見つけた笑)生態写真を撮ることはできなかった

IMG_1662
飛行機からの眺め

慢性的な寝不足だったがとても楽しい4泊5日だった。クワガタは夏にリベンジ。



2019 沖縄島遠征#1 完

2019 沖縄島#1(2)


3日目
 
IMG_1429
オオゴマダラ
𝐼𝑑𝑒𝑎 𝑙𝑒𝑢𝑐𝑜𝑛𝑜𝑒 Erichson, 1834
タテハチョウ科に分類される大型のチョウ。沖縄島では普通種だが 、その豪勢な姿はいつ見ても良い。東南アジアに広く分布し、日本では喜界島,与論島以南の南西諸島に分布する。本種を含むマダラチョウ類のオスの腹部末端にはフェロモンを分泌するヘアペンシルと呼ばれる器官がある。
宮古島市,石垣市の市のチョウに選定されている。

 3日目。
さてそろそろクワガタが見たい。そもそも自分はクワガタ屋だし両爬ばっかじゃ満足できない。
ということで早速前日に仕掛けておいたバナナトラップを確認しに行った。

しかし集まっていたのはナメクジばかりだった...
(おぞましい絵面になっていたので写真はここでは控えておく)

ただでさえ時期が悪いのにどうやら昨晩はここ数日の中でもかなり冷え込んだらしい。
いないものはしょうがないのでネブトとルイスツノ採集に切り替えた。

名護市から少し外れた山で林道を流していると良さげな枯れ沢があった。同行者によるとルイスツノは涸れ沢沿いにある"シロアリ”がすんでいる材を好むらしい。
どンなものかと材を割っていくがなかなか見つからない。すると同行者が早速ルイスツノの成虫を複数匹見つけた。
どんな材なのかを確認して再度探してみると幼虫がたくさん出てきた!!

IMG_1433
ルイスツノヒョウタンクワガタ
𝑁𝑖𝑔𝑖𝑑𝑖𝑢𝑠 𝑙𝑒𝑤𝑖𝑠𝑖 
Boileau, 1905
幼虫は朽木食性だが成虫は肉食という少し変わった生態を持つクワガタムシ。成虫は今回採れなかったので詳しい解説は省く。この個体は一見𝐷𝑜𝑟𝑐𝑢𝑠属の幼虫のような体型をしていたが羽化後やはりルイスツノだった。(本来𝑁𝑖𝑔𝑖𝑑𝑖𝑢𝑠の幼虫は細身)

 ひとまずクワガタが採れたので一安心した。ネブトも似たような環境に生息していると思っていたが全く見つからなかった。
午前中はほとんど材割りをしていたので午後は再びやんばるの方に向かった。

IMG_1435
やんばるの森
背の高い木はあまりないが植生は複雑
 
IMG_1438
サーターアンダギー
昼食をとった店の横にあった売店にて。

午後は特にすることもなかったので両爬好きの同行者と一緒に色々な両爬を探すことにした。

IMG_1442
オキナワイシカワガエル
𝑂𝑑𝑜𝑟𝑟𝑎𝑛𝑎 𝑖𝑠ℎ𝑖𝑘𝑎𝑤𝑎𝑒 (Stejneger, 1901)
2日目に見た個体とは別個体。青色の色彩変異個体はかなり珍しいと言われているがそれなりに個体数はいた気がする。この個体はいつも同じ岩の隙間にいた。

IMG_1728
オキナワキノボリトカゲ
𝐷𝑖𝑝𝑙𝑜𝑑𝑒𝑟𝑚𝑎 𝑝𝑜𝑙𝑦𝑔𝑜𝑛𝑎𝑡𝑢𝑚 𝑝𝑜𝑙𝑦𝑔𝑜𝑛𝑎𝑡𝑢𝑚 Hallowell, 1861
ずっと威嚇してきた個体。小さな恐竜のようなところがとても可愛らしい。

IMG_1461
やんばる某所
3日目は天気がとてもよく気温もこの日は26℃あった

C05CFA03-EB16-4BBF-9204-E97CD8022848
昭和63年元日辰生年祝記念像
一部の虫屋ではかなり有名な像

IMG_1487
リュウキュウアカガエル
𝑅𝑎𝑛𝑎 𝑢𝑙𝑚𝑎 Matsui, 2011
沖縄、久米島に分布。アカガエルなのでやはり水気の多いところより(やんばるの中では)比較的乾燥した場所で多く見かけることができた。繁殖は11月から12月にかけて行われる。
以前までは奄美大島や加計呂麻島、徳之島に分布しているアカガエルも同種とされているが2011年に別種𝑅𝑎𝑛𝑎 𝑘𝑜𝑏𝑎𝑖 
Matsui, 2011として分けられた 。

IMG_1492
ヌマガエル
𝐹𝑒𝑗𝑒𝑟𝑣𝑎𝑟𝑦𝑎 𝑘𝑎𝑤𝑎𝑚𝑢𝑟𝑎𝑖 Djong, Matsui, Kuramoto, Nishioka et Sumida, 2011
西日本以南から台湾にかけて分布する。ヌマガエル類自体東南アジアから東アジアにかけて広く分布する種だが、最近の研究によると広い分布域の中でインド、マレーシア、インドネシア、タイとラオス、中国と台湾、先島諸島、日本と多くのグループに細分化されることがわかった。

IMG_1508
オキナワアオガエル
𝑅ℎ𝑎𝑐𝑜𝑝ℎ𝑜𝑟𝑢𝑠 𝑣𝑖𝑟𝑖𝑑𝑖𝑠 (Hallowell, 1861)
道路沿いの渓流にて。体表面は非常に滑らかで、四肢の指には発達した吸盤があるのが特徴的である。本土でよくみかけるシュレーゲルアオガエルは本種の近縁種とされており、奄美地方に分布するアマミアオガエルは本種の亜種とされている。

IMG_1519
リュウキュウカジカガエル
𝐵𝑢𝑒𝑟𝑔𝑒𝑟𝑖𝑎 𝑗𝑎𝑝𝑜𝑛𝑖𝑐𝑎 (Hallowell, 1861)
渓流近くの用水路にて。体色は黄色から褐色まで様々で、個体変異があるようだ。種小名にもあるように旧和名はニホンカジカガエルだったが、カジカガエルとの混同を避けるために現在では呼ばれていない

IMG_1534
オキナワイシカワガエル
𝑂𝑑𝑜𝑟𝑟𝑎𝑛𝑎 𝑖𝑠ℎ𝑖𝑘𝑎𝑤𝑎𝑒 (Stejneger, 1901)
こちらが通常型。色彩変異個体も確かにきれいだがこちらもなかなかイイ感じの緑色である。

IMG_1536
イボイモリ
𝐸𝑐ℎ𝑖𝑛𝑜𝑡𝑟𝑖𝑡𝑜𝑛 𝑎𝑛𝑑𝑒𝑟𝑠𝑜𝑛𝑖 (Boulenger, 1892)
ゴジラのような雰囲気が感じられる。夜も気温が高かったため個体数は今回の遠征でこの日が一番多かった。

ご存知の方も多いと思うが、シリケンイモリには金粉の入り方に個体差がかなり大きい。今回の遠征で密かに目標にしていたのが全身“金”のシリケンイモリである。
実はこれがなかなか難しい。沖縄のシリケンイモリの多くには金粉が入っているが、ほとんどの個体が疎らに少しだけしか入ってない。

夜も大分更け、「これで最後にするか」と思いながらある水たまりを何気なく覗いたら真っ金金のイモリの尾が見えた。
「尾までが金粉が入っている個体はそう見つからない...これは大物だ」
急いで長靴に履き替え、タモ網を持ち、池に飛び込んだ。飛び込んだ後に気づいたのだが池の周りにはよく見るとヒメハブが3匹いた...(今後は興奮しても落ち着くようによう。。)

IMG_1410
ヒメハブ
Ovophis okinavensis (Boulenger, 1892)
クサリヘビ科ヤマハブ属に分類されるためいわゆるホンハブ(ハブ属)(正式名称はハブだがここでは毒蛇の俗称としての“ハブ”と区別するためにホンハブと呼ぶことにする)とは別属である。
性格はホンハブとは対照的でかなり温厚である。よっぽどなことしない限り襲われることはまずない。それゆえ事故件数も少なく、本種の抗毒血清は製造されておらず、分布地の医療機関にも配備されていない場合が多い。とはいえ餌を捕まえるときは毒を使うので注意が必要である。

ヒメハブをそーっとどかした後タモ網でひたすら掬った。しかし30分経過してもなかなか見つからない。池といっても直径2mもない水たまりのようなものだったのにも見つからない。
「もしかして幻か..」そんな不安がよぎる中タモ網で赤い腹をした小さな何かが飛び跳ねた。
恐る恐るタモ網の中で跳ねる生き物を手に取ってみると何とオオイチモンジシマゲンゴロウだった。

IMG_1560
オオイチモンジシマゲンゴロウ(沖縄島個体群)
𝐻𝑦𝑑𝑎𝑡𝑖𝑐𝑢𝑠 𝑐𝑜𝑛𝑠𝑝𝑒𝑟𝑠𝑢𝑠 (Régimbart, 1899)
山中の水たまりにて。シリケンイモリとヤブヤンマのヤゴと併存していた。本土産や八重山産の個体群よりも上翅に多くの金筋が入るのが特徴的で、網に入った際には圧倒的な存在感を放っていた。
準絶滅危惧種

棚からぼたもちとはまさにこのこと。思わぬ生き物との出会いに心底感動した。
しかしまだイモリは見つかっていない。。あと30分で見つからなかったら諦める旨を同行者に伝えた直後ついに捕まえた。

IMG_1544
シリケンイモリ(沖縄個体群)
𝐶𝑦𝑛𝑜𝑝𝑠 𝑒𝑛𝑠𝑖𝑐𝑎𝑢𝑑𝑎 (Hallowell, 1861)
水辺があるところではどこでも見かけることができた。この個体は斑紋がかなりある個体だった。ある研究によるとこの斑紋は奄美群島産は4-11%、沖縄諸島産は71-91%の比率で入るという報告がある。
一般的に斑紋の入り方や体型、お腹の色などから沖縄個体群はオキナワシリケンイモリ spp. 𝑒𝑛𝑠𝑖𝑐𝑎𝑢𝑑𝑎 (Hallowell, 1861)、奄美個体群はアマミシリケンイモリ spp. 𝑝𝑜𝑝𝑒𝑖 (Inger, 1947)として別亜種扱いされているが、日本爬虫両棲類学会ではこれを認めていない。

思った通りの大物だった。いやあ嬉しい。
採ったあと車に戻ろうとしたら急げに眠くなった。時刻は25時ちょうどだった。(待っててくれた同行者には感謝しかない)

IMG_1542
ナミエガエル
𝐿𝑖𝑚𝑛𝑜𝑛𝑒𝑐𝑡𝑒𝑠 𝑛𝑎𝑚𝑖𝑦𝑒𝑖 (Stejneger, 1901)
山中の渓流にて発見。オオイチモンジシマゲンゴロウと同じ場所で見られた。メスよりもオスの方が大型化し、半水棲で水中でも採餌することが知られている。
国内希少野生動植物種,絶滅危惧IB類


3日目はこれにて終了。クワガタの成果はイマイチだったが多くの固有の両爬をみることが出来て大満足な1日だった。

2019 沖縄島#1(1)


2019シーズン初の離島は沖縄島!!
実は離島採集は昨年の屋久島が初めてで、南西諸島は採集では全く行ったことがなかった。

今回は大学のサークルの春合宿ということで名護を拠点に主にやんばるで採集を行なった。(#1としているのは夏に#2があるからである笑)

 時期は3月中旬ということで流石の沖縄でもクワガタは厳しいだろうなあと思いつつ、一番見つけやすそうなルイスツノとオキナワネブト、オキナワヒラタを目標種として遠征に臨んだ。

1日目

今回の遠征は成田空港から出発した。サークルの合宿ということもあり、時間にかなりの余裕を持たせたため那覇空港に着いたのは既に夕方だった。とりあえずせっかくの時間が勿体無いということで雨がパラつく中、ホテルの周りを散策した。

IMG_1163
ヒメアマガエル
𝑀𝑖𝑐𝑟𝑜ℎ𝑦𝑙𝑎 𝑜𝑘𝑖𝑛𝑎𝑣𝑒𝑛𝑠𝑖𝑠
Stejneger, 1901
日本固有の小型のカエル。どこでも見かけることができた。
一時的にできた水たまりなどにも産卵するらしい。日本産のカエルでは一番可愛い気がする。 

fullsizeoutput_23dd
ミナミヤモリ
𝐺𝑒𝑘𝑘𝑜 ℎ𝑜𝑘𝑜𝑢𝑒𝑛𝑠𝑖𝑠
Pope,1928
主に森林で見かけることができた。市街地にはホオグロヤモリの方が多く、住み分けをしていた。 吐噶喇列島や屋久島など日本の各地に移入されいるらしい。近年本種から隠蔽種としてオキナワヤモリが分けられた(未記載)。

0YS2g0uhTa6DpvpvVpdK+A
アフリカマイマイ
𝐴𝑐ℎ𝑎𝑡𝑖𝑛𝑎 𝑓𝑢𝑙𝑖𝑐𝑎 (Ferussac, 1821)
東アフリカ原産の大型巻貝。広東住血吸虫が本種を中間宿主とするため触らない方が良い。世界の侵略的外来種ワースト100に選定されている。


春とは言え3月の沖縄は既に暖かく、両爬はかなり活発に活動していた。初日は沖縄ならではの生き物をそれなりに見かけることができたが、二日目に備えて早く寝た。



2日目

初日はほとんど採集ができなかったので二日目は早速やんばるへ向かった。

やんばるとは沖縄島北部にある与那覇岳(503m)を最高峰とする古生層の山地の俗称である。シイやカシなどが優占した原生林で、そこには固有の生き物が多く生息している。
ちなみにやんばる固有の生き物の多くが種名に“やんばる”がつけられている(ex.)ヤンバルテナガコガネ,ヤンバルクイナ,ヤンバルクロギス,ヤンバルホオヒゲコウモリetc )

前述したように今回はクワガタはかなり厳しいということは重々承知していたので、固有の両爬を探しつつ適当にクワガタを探すことにした。

IMG_1245
ヘゴの木
いかにも亜熱帯多雨林、という感じだった


今回はせっかくの沖縄遠征ということなのでクワガタだけではなく水生昆虫の方にも力を入れることにした。クワガタ同様、水生昆虫も沖縄固有のものが多いので是非いろいろな種が見たい。

IMG_1243
良さげなため池
オキナワマツモムシがいるかも...と思いつつ藪漕ぎして近づいてみた

fullsizeoutput_1f3b
実際に近寄ってみると水草が殆ど無かった
水面からは多くのオキナワシリケンイモリやオオミズスマシを観察できた

フタキボシケシゲンゴロウ
フタキボシケシゲンゴロウ
𝐴𝑙𝑙𝑜𝑝𝑎𝑐ℎ𝑟𝑖𝑎 𝑏𝑖𝑚𝑎𝑐𝑢𝑙𝑎𝑡𝑎 
(M.Sato,1972)
主に南西諸島に分布する流水性のゲンゴロウ。渓流の淀みをすくってみるとたくさん採ることができた。第1投目ならぬ第1掬い目が本種だったのでとても嬉しかった。上翅にある二つのハート形の斑紋がとても可愛らしい。
準絶滅危惧種

 
fullsizeoutput_23e0
オキナワイシカワガエル
𝑂𝑑𝑜𝑟𝑟𝑎𝑛𝑎 𝑖𝑠ℎ𝑖𝑘𝑎𝑤𝑎𝑒 (Stejneger, 1901)
アカガエル科ニオイガエル属に分類される。山地の渓流沿いを好み、岩の隙間などを好む。繁殖期には岩の下や隙間、斜面地下にある伏流水が溜まった穴などに産卵する。ちなみにだが、この皮膚の青色は黄色色素胞欠損によるものらしい。
奄美大島個体群とは形態の違い、雑種致死による交配後隔離が確立されてる点から近年別種扱いにされた。
絶滅危惧IB類

 
fullsizeoutput_1f44
コモウセンゴケ
𝐷𝑟𝑜𝑠𝑒𝑟𝑎 𝑠𝑝𝑎𝑡𝑢𝑙𝑎𝑡𝑎
Labill
山地の湿地を好む食虫植物。のはずだが実際には乾燥(?)している場所に生えていた。葉は普段緑色をしているが冬は紅葉で赤くなるらしい。この個体はまだ葉はかなり赤かった。

fullsizeoutput_1f47
できれば虫を捕食している画がほしかった..

i1IgRknDQxeP7Qaja+aW9g
オキナワキノボリトカゲ
𝐷𝑖𝑝𝑙𝑜𝑑𝑒𝑟𝑚𝑎 𝑝𝑜𝑙𝑦𝑔𝑜𝑛𝑎𝑡𝑢𝑚 𝑝𝑜𝑙𝑦𝑔𝑜𝑛𝑎𝑡𝑢𝑚
Hallowell, 1861
日本に生息するアガマ科は本種のみである。体色はふつう緑色もしくは褐色だが、この個体はやけに黒かった。昼行性で、夜間は木の枝や幹にしがみついて寝ている。
亜種には先島諸島固有のサキシマキノボリトカゲ ssp.𝑖𝑠ℎ𝑖𝑔𝑎𝑘𝑖𝑒𝑛𝑠𝑖𝑠 (Van Denburgh,1912)や与那国島固有のヨナグニキノボリトカゲ ssp.𝑑𝑜𝑛𝑎𝑛 (Ota, 2003)、台湾固有のキグチキノボリトカゲ ssp.𝑥𝑎𝑛𝑡ℎ𝑜𝑠𝑡𝑜𝑚𝑢𝑚 (Ota,1991) などがある。
絶滅危惧Ⅱ類 

材割りなどをしてみたが中にはクチキゴキブリ類しか見つからず、甲虫はほとんど見つからなかった。そんなこんなですっかり日が暮れてしまったためコンビニで夕飯を買ったあと再びやんばるの奥地へ向かった。
*やんばるを夜間入るときは国頭村の夜間林道通行許可を事前に申請しておく必要がある。

夜のやんばるは昼間と打って変わって闇に包まれており、少し不気味だった笑
繁殖期だったためか、路上には多くの イボイモリが歩いていた。
 
IMG_1381
イボイモリ
𝐸𝑐ℎ𝑖𝑛𝑜𝑡𝑟𝑖𝑡𝑜𝑛 𝑎𝑛𝑑𝑒𝑟𝑠𝑜𝑛𝑖 (Boulenger, 1892)
夜間の林床を歩いていた。後頭部から尾にかけてある隆条が名前の由来らしい。精包の授受が陸上で行われるため、産卵場所には雄が殆ど見られないという特異的な生態をもつ。個体数はかなり多かった。
絶滅危惧Ⅱ類

二日目はフタキボシケシや様々な両爬を見かけることができたので大満足だった。(クワガタは...?)
ヘトヘトになりながら宿に戻ってきた頃には既に26時を過ぎていた。

2018 屋久島(2)

だいぶ空いてしまいましたが...笑

2日目

初日目の夜は雨があまりにも酷かったため採集は全くできなかった。
気合いを入れ直す意味でもこの日は朝早くから車を走らせた。

言い忘れていたが今回の大本命は何と言っても屋久島固有種のヤクシマオニクワガタである。

離島固有の高山種....これは是非とも御目に掛けたいっ!!!

ということで一気に標高を上げて捜索を開始した(実はこのときはまだオニクワガタを取ったことなかった笑)。
オニクワ採集経験がないため捜索は非常に難航した。(当たり前)

「標高1000m付近の材割ればいるだろう。。」
そんな風に考えていたが、これが全ての失敗の原因だった。

まず標高“1000m付近の場所”だが、そもそも1000m付近で道が通っているところはほぼ世界遺産指定区域もしくは特別保護区だった。地形図を照らし合わせて採集可能な場所を探す作業に大きく時間をとられてしまった。(下調べ不足が仇となってしまった...笑)

そして“材割り”だが、ここでも大きなミスをやらかしていた。この時期(8月中旬)ヤクオニは既に歩いている時期であった。というよりも発生もかなり後期だった。

そんなこんなで結局山に入って数時間経ってもヤクオニは一匹も見つからなかった。

疲れきった私は休憩がてらに観光名所の一つである白谷雲水峡で観光することにした。
白谷雲水峡では屋久島の雄大さを実感することができるので是非虫屋の方にも行ってもらいたいです。(もはや観光目的??)
帰り道でヤクオニの死骸を見つけた。やはり発生後期だったようだ。(写真はデータが破損して残らなかった...)
二日目の晩もなぜか大雨。コクワやノコギリを街灯採集で稼ぐ魂胆だったためこの日もボーズとなった。

fullsizeoutput_1cb1
太鼓岩
一見滑りやすそうに見えるが意外と滑りにくい


fullsizeoutput_1cb5
吊り橋
このときは霧がまだ薄かった



fullsizeoutput_1cc7

屋久島にはこのような沢がいくつもあった



fullsizeoutput_1cd0
倒木
白谷雲水峡にはこのような倒木がたくさんあった 

2018 屋久島(1)


虫屋としてはうずうずせずにはいられない時期がついにやってきた。

実は既に受験生の頃から今回の予定は立てていた。


そんな今年の採集旅行の皮切りとなった舞台は日本の秘境・屋久島!!

縄文杉やウィルソン株といったいわゆる“屋久杉”で有名なこの島には実に多くの観光客がやってくる。

しかし、この島の魅力はなんといってもその類い稀な自然環境と固有種の豊富さだろう。クワガタだけでも屋久島にはヤクシマノコギリクワガタ 𝑃𝑟𝑜𝑠𝑜𝑝𝑜𝑐𝑜𝑖𝑙𝑢𝑠 𝑖𝑛𝑐𝑙𝑖𝑛𝑎𝑡𝑢𝑠 𝑦𝑎𝑘𝑢𝑠ℎ𝑖𝑚𝑎𝑒𝑛𝑠𝑖𝑠、ヤクシマコクワガタ𝐷𝑜𝑟𝑐𝑢𝑠 𝑟𝑒𝑐𝑡𝑢𝑠 𝑦𝑎𝑘𝑢𝑠ℎ𝑖𝑚𝑎𝑒𝑛𝑠𝑖𝑠、ヤクシマスジクワガタ 𝐷𝑜𝑟𝑐𝑢𝑠 𝑠𝑡𝑟𝑖𝑎𝑡𝑖𝑝𝑒𝑛𝑛𝑖𝑠 𝑘𝑜𝑦𝑎𝑚𝑎𝑖 、ヤクシマオニクワガタ 𝑃𝑟𝑖𝑠𝑚𝑜𝑔𝑛𝑎𝑡ℎ𝑢𝑠 𝑡𝑜𝑘𝑢𝑖、ヤクシママダラクワガタ𝐴𝑒𝑠𝑎𝑙𝑢𝑠 𝑎𝑠𝑖𝑎𝑡𝑖𝑐𝑢𝑠 𝑠𝑎𝑤𝑎𝑖𝑖 などが挙げられる。

ちなみにだが隣の種子島にはコクワガタ以外本土と同亜種が生息している。

屋久島は比較的南に位置する島であるのにも関わらず、九州最高峰である宮之浦岳をはじめ高山がたくさんあるという独特な地形をしている。それゆえ低地では亜熱帯多雨林に近い照葉樹林の植生が見受けられるのにも関わらず、高地では夏緑樹林や針葉樹林となっている。
この癖のある植生の垂直分布が屋久島の種の多様化に大きく寄与していると考えられる。

前置きが長くなってしまったが、詰まる所、屋久島は“生き物の宝庫”というわけである。


1日目

東京から屋久島までは2通りの行き方がある。一つ目は羽田/成田から鹿児島空港まで行き、そこからJACで屋久島空港へ行く方法、二つ目は鹿児島から屋久島までフェリーで行く方法である。学生である自分は当然お金があるわけがないので後者の行き方で屋久島へ向かった。
しかしこの行き方だとお金はあまりかからないものの、時間がとてもかかった。朝の6時半羽田発の便で鹿児島へ向かったが屋久島に到着したのは14時を過ぎていた。

実はこの時ちょっとしたトラブルが起きていた。
台風19号、20号が屋久島に接近していたのである。

まあなんとかなるだろう思いながら上陸したが、到着直後は今にも一雨降りそうな雰囲気だった。

RdUt6yxwRPSXHcmpOM2%+g
出発するときの鹿児島港
この時まではほぼ快晴だった 

本格的な採集は二日目以降にすることにして初日は島内を観光することにした。
宮之浦港でレンタカーを借りた後、島の南部へ向かった。
屋久島には島を縁取るように大きな国道が敷かれているため、移動はしやすかった。

初日はあまり樹液のある木を探す時間がなかったため、道路脇に行くつかのバナナトラップを仕掛けた。屋久島は島の一部が世界自然遺産に認定されているため、保護区がある。また国立公園の特別保護区も設けられているため採集する際には十分気をつける必要がある。

fullsizeoutput_1ca7
バナトラポイント
シイ系やカシ系が多かったが今思えば(屋久島なのに?)かなり乾燥していた

屋久島はあまりにも縄文杉が有名であるがために多くの人が屋久島=縄文杉という印象を持っているかもしれない。しかし、実は屋久島には個々で見れば素晴らしい観光名所がいくつもあった。


fullsizeoutput_1cab
大川(おおこ)の滝
水飛沫がかかるほど近くで見れる


レンタカーを借りた宮之浦港は島の北部にあるため、大川の滝に行くまでには西部林道を通らなければならなかった。この西部林道はヤクザルやヤクシカが多く見られることで有名らしい。

fullsizeoutput_1c03
ヤクシカ
𝐶𝑒𝑟𝑣𝑢𝑠 𝑛𝑖𝑝𝑝𝑜𝑛 𝑦𝑎𝑘𝑢𝑠ℎ𝑖𝑚𝑎𝑒
もののけ姫の世界から出てきたようだった。本亜種は日本産の鹿の中で最も小型で形態にも違いが見られる。通常、成熟した雄鹿は角が四本に枝分かれすることが知られているが、本亜種は三本以下がほとんどである。また、四肢も体サイズと比べて短い。
ニホンジカ屋久島亜種 

IMG_7710
ヤクザル
𝑀𝑎𝑐𝑎𝑐𝑎 𝑓𝑢𝑠𝑐𝑎𝑡𝑎 𝑦𝑎𝑘𝑢𝑖
本土の個体と比べてひとまわり小さく、気性は荒い。体色は基亜種と比べて暗い灰色をしており、手足が黒い。本亜種と基亜種の遺伝子の遺伝的距離は、基亜種の地域変異の10倍以上あるとされており、また、ニホンザルの南限の個体群とされている。 

ヤクシカは本土の個体と同じように気性は比較的穏やかで、車から降りて写真撮影をしてもほとんどこちらを気にせずにのんきに歩いていた。しかし、ヤクザルは思った以上に気性が荒くて驚いた。


そんなこんなで初日はいきなり屋久島を一周回ってしまった。
夜は大雨が降ってしまい、街灯巡りや夜間ルッキングは全くできなかった。
疲労感でいっぱいだったが、2日目3日目の採集がますます楽しみになる1日だった。

IMG_7930
屋久島南西部
北部は大雨が降っていたが南は晴天だった


IMG_7960
屋久島南部
毎日雨が降るためなのか夕焼けはとても綺麗だった
プロフィール

鍬吾郎

離島を愛する鍬形屋
大学四年間の目標は日本の採集可能なクワガタ全種を自己採集すること
夏はほぼ島にいます
自己採集品のブリードも少々
水生昆虫もやります

離島屋 | 日本産LucanidaeとDytiscidae
アクセスカウンター
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計:

ギャラリー
  • 2019 ジャワ島(6)
  • 2019 ジャワ島(6)
  • 2019 ジャワ島(6)
  • 2019 ジャワ島(6)
  • 2019 ジャワ島(6)
  • 2019 ジャワ島(6)