春の沖縄遠征では2019 沖縄島#1でも述べたが大学のサークルの春合宿で参加した。すでに観た方もいると思うが春の沖縄はクワガタ採集は惨敗だった。
南といえどまだ3月。クワガタには流石に早すぎたようだ(当たり前)。
とうことでこの春休みはさらに南下することにした。
行き先はインドネシアはジャワ島!!!
目標種はそう、ムシキング世代なら誰でも知っているギラファノコギリクワガタとコーカサスオオカブトである!!
前置きはここまでにして早速本編に入ろう。
1日目
今回は有志5人でジャワ島へ向かった。(以下ではメンバーをオキシドール氏、たごめ氏、T氏、K氏と呼称する)
採集目的での海外遠征は初めてで何かと不安だったので今回は飛行機を格安航空ではなくJALを利用した。
搭乗した飛行機
客は自分たち以外全員インドネシア人だった
機内食
意外と量があって驚いた
さすがJALと言うべきか機内食はかなり充実しており、座席モニターで観れる映画もいろいろなものがあった。(The Greatest Showmanをここで初めて観て心底感動した(どうでも良い))ちなみに往路で乗った機体は最新機種だったらしく、窓のブラインドはボタン式で光の透過率(もしくは屈折率?)を変えて窓の明るさを調節することができ、これにとても驚いた。
そんなこんなで気付けば機体は着陸態勢に入っており、ジャカルタのスカルノハッタ国際空港に着いた時は現地時間で25時半を過ぎていた。
ジャカルタの夜景
深夜なのにも関わらず東京並みに街が明るかった
入国審査を受け、今回の遠征の案内をしてくれるガイドの方と合流し、この日はビジネスホテルに宿泊した。
2日目
今回の遠征は主にジャワ島東部で採集する予定だったため、二日目も再び飛行機で移動することになっていた。午前中に発つ便だったので、深夜遅くチェックインしたのにも関わらず起床は7時となってしまい少しキツかった笑
ナシ・ゴレン
ピリ辛が効いた炒飯のような味でとても美味しい
ジャカルタ近郊の市街地
平屋造りが多く、交通量と気温が高いためか埃っぽかった
しかし、ここで今回の遠征で1個目のトラブルが発生した(今回の遠征では様々なトラブルが生じたのでここでのトラブルは“1個目のトラブル”としておく笑)。
今回利用した航空会社はガルーダインドネシア航空(一応五つ星(?)らしい)で、バックパックをカウンターで預けて保安検査場を通過するまではいつも通りだった。しかし、いくら搭乗口で待ってても自分たち以外の客がみつからないのである。
電光掲示板には乗る飛行機の便も表示されていたのになぜか客は自分たちしかいない。。なぜだろうと思いグランドスタッフの方と話していると衝撃的な事実が発覚した。
グランドスタッフが我々に行ったセリフ....それは..........
「お客様がお持ちの搭乗券に記載されている便は今日ではなく明日の便です」
「えっ..?」「日付が今日なんだが..」
「申し訳ないです。こちらの手違いで本来予定のない便の航空券を販売していました..」
「??????????」
というわけで二日目はジャカルタに滞在することになってしまった...笑
流石に航空会社側に落ち度があるということでホテルを手配してくれた。
せっかくの時間が勿体無いということで早速ホテルに荷物を置きに行った。空港からホテルまではホテルのバンに乗って行くことになったがこのバンがなかなかなものだった.....笑
色々とすごかったバン
ジャカルタは世界でもトップクラスの人口密集地である。ゆえに渋滞は日常茶飯事らしく、案の定ホテルに向かう際に我々も渋滞につかまってしまった。なかなか進まないなあと思っていたら急に進み始めたので何が起きたのかと思って外を見たらなんと逆走していた笑
おいおい....と思っていたがなぜか対向車が来ない。のちにわかったのだがどうやらホテルからチップをもらってる青年がわざわざ我々のために対向車を止めていたらしい笑(すごいぞ!四つ星ホテル!(違う))
航空会社が用意してくれたホテル
なんと四つ星!!
部屋の様子
無駄に広く、シャワールームはガラス張りだった
そんなこんなでホテルに着くや否や早速フィールドに向かうことになった。と言っても当初予定のないスケジュールになってしまったので行き先をどこにするかとても悩んだ。ジャカルタ近郊はインドネシアの首都なだけあって開発がかなり進んでおり、森や林は近くには見当たらなかった。そこで我々はGoogle Mapの航空写真で見つけた近くの水田にタクシーで向かうことにした。
水田につづく農道の轍
水温は40℃近くあったがオタマジャクシや水生昆虫がいた
シマゲンゴロウ属の一種?
𝐻𝑦𝑑𝑎𝑡𝑖𝑐𝑢𝑠 sp. ?
上の写真の轍にいた。水温はかなり高かったが元気よく泳いでいた。上翅の色を黒くしたウスイロシマゲンゴロウのような色合いをしており、サイズ感もほぼウスイロシマゲンゴロウと同サイズだった。
ジャワコオイムシ(仮称)
𝐷𝑖𝑝𝑙𝑜𝑛𝑦𝑐ℎ𝑢𝑠 sp.
上の写真の轍にかなりの密度で生息していた。日本にいるコオイムシは𝐴𝑝𝑝𝑎𝑠𝑢𝑠という別のグループに属する。本種が属するグループは東南アジアに分布し、丸くて小さい体型をしている。三角の形をしている複眼が特徴的である。
田んぼに着くやいなやメンバー全員はしゃいで虫を探し始めた。言い忘れていたが今回のメンバーの専門はそれぞれオキシドール氏:甲虫全般、たごめ氏:水生昆虫、T氏:クワガタ,カマキリ、K氏:生き物全般である。
水昆好きのたごめ氏は特に興奮していた。
ジャワコオイムシ(仮称)
グラミーはキノボリウオと一緒にかなりの個体数を見かけることができた
民家よりも樹皮下でよく見かけた。尾が扁平なのでヒラオヤモリの仲間だと思われる。
サイカブトの仲間
𝑂𝑟𝑦𝑐𝑡𝑒𝑠 sp.
網に引っかかっていた。完品のオスだったがあまりにも複雑に絡まっていたのでとるのは断念した。イナゴ科の一種
𝐶𝑎𝑡𝑎𝑛𝑡𝑜𝑝𝑖𝑑𝑎𝑒 gen. sp.
今まで見たことないくらい巨大だった。体長は大型のショウリョウバッタに匹敵するほど。全身山吹色をしているが下翅は赤い。実は3月のジャワ島は日差しの強さが半端ではなく、冬明けの我々の体にはかなりこたえていた。笑
そこで一時間ほど採集したら休憩がてらタクシーに戻り、休んでいる間に別のポイントへ向かうことにした。次に向かった場所は水田ではないが用水路がたくさんあるヨウサイの畑である。ここで栽培されているヨウサイは湿地性らしく、畑の側にたくさんの用水路が引かれていた。
ヨウサイ𝐼𝑝𝑜𝑚𝑜𝑒𝑎 𝑎𝑞𝑢𝑎𝑡𝑖𝑐𝑎 Forsskal.の畑
日本ではあまり馴染みのない農作物だが東南アジアで多く栽培されている。日本には沖縄経由で九州に渡来した。
実際の作業の風景
用水路の水を農作物にかけていた
東南アジアならどこでもそうなのかもしれないが、ジャワ島では野良犬がかなり多かった。狂犬病の心配もあったためあまり近づかないように気をつけていたが、このヨウサイ畑では一匹の飼い犬(?)がいた。
この犬がなかなかしつこく、部外者である我々を執拗に追いかけてきて少し怖かった笑
イッヌ
部外者であるこちらは警戒してずっと追ってきた
デルモゲニーの仲間
𝐷𝑒𝑟𝑚𝑜𝑔𝑒𝑛𝑦𝑠 sp.
淡水性のサヨリ科の魚で東南アジアに広く分布する。その風貌から小型のアリゲーターガーとも称されている。品種改良されたゴールデンデルモゲニーが熱帯魚として現在流通しており、単価が安くて飼育も容易なので初心者にオススメな入門種である。日本でいうメダカのような存在だった。マダラロリカリア
𝑃𝑡𝑒𝑟𝑦𝑔𝑜𝑝𝑙𝑖𝑐ℎ𝑡ℎ𝑦𝑠 𝑑𝑖𝑠𝑗𝑢𝑛𝑐𝑡𝑖𝑣𝑢𝑠 (Weber, 1991)
アマゾン川、マデイラ川原産のナマズ目の熱帯魚である。アメリカや日本、シンガポールなど世界各国に移入されており、定着している。
日本では外来生物法に基づいて要注意外来生物に指定されている。
日本では外来生物法に基づいて要注意外来生物に指定されている。
夢中になるたごめ氏
エサキタイコウチ
𝐿𝑎𝑐𝑐𝑜𝑡𝑟𝑒𝑝ℎ𝑒𝑠 𝑚𝑎𝑐𝑢𝑙𝑎𝑡𝑢𝑠 (Fabricius, 1775)
ヨウサイ畑の用水路にて。与那国島に分布しているエサキタイコウチは暗くて浅い湿地帯に生息しているが、この個体がいた用水路は物陰がなくて明るかった。また、ある程度の水深もあったことから日本のものとは少し生態が違うようだ。ミズカマキリの仲間
𝑅𝑎𝑛𝑎𝑡𝑟𝑎 sp.
田んぼやヨウサイ畑の水路などで見かけることができた。マダラアシミズカマキリとかなり似た姿形をしていたが脚に斑紋は見られなかった。ヒメミズカマキリよりもやや大きい程度の大きさで、浅い場所を好んで生息していた。とても可愛らしいミズカマキリだった。メンバー全員夢中で採集していたらすでに19時近くになっていた。次の日は本来乗るはずだった飛行機に乗らなければいけないため、この日は早めに切り上げてホテルで晩飯をとった。
ナシ・ゴレン(1)
ナシ・ゴレン(2)
黒いのは胡椒のきいた青椒肉絲のようなものでとても美味しかった
黒いのは胡椒のきいた青椒肉絲のようなものでとても美味しかった
東南アジアでは有名(?)なビール
中でもこの“BINTANG”というビールはとても美味しかった
夜間街灯巡りをしようとしたがスコールが降ってしまい断念。次の日に備えてこの日は早く寝ることにした。
2019 ジャワ島(2)はこちら。