5日目(後半)
待ちに待ったライトトラップが点灯した。今回のライトトラップは崖上の見晴らしの良い場所に設置し、反対側の山に向けて光を照らした。
風もほぼ無く、湿度もそこそこ高い。これは期待できると胸を躍らせていたわけだが、やや星空が見えていたのが少し不安だった(これはこれで絶景)。湿度は高いが、なにぶん標高が1000m以上ととても高いので気温は15℃前後とかなり低かった。しかしガイドによるとジャワの高山種はこれくらいの気温が一番いいらしい。これは少し意外だった。
18時に点灯して30分、、、小さい雑甲はポツポツと集まり始めたが想像していたものとはだいぶ虫の集まりが悪い。。。「これはもしや“好条件なのに虫が全く集まらないパターン”ではないか..」そんな不安が頭の中をよぎっていたが、とある“ムシ”の飛来によって一瞬に払拭された。
18:45
崖側からけたたましい羽音が聞こえてきた。弾丸の如く現れた黒い物体は一直線に白シーツに着地した。
黒い物体の正体は夢にまで見たコーカサスオオカブトだった!!
それまで意気消沈状態だったメンバーだったが、この個体の登場により一気に採集のボルテージが上がった。
ペットショップなどでよく売られている本種だが、現地で野生の個体を見るのはやはり格別である。
この個体の登場だけでもかなり嬉しかったが、遥々日本からインドネシアまで来たわけなので、是非オスが見たい。メンバー一同躍起になってライトラ周辺の藪を隈無く探した。しかしここで見つかったのはナナフシばかりだった。
20m四方を少し探しただけでこんなに多様なナナフシが採れるとは。。。ジャワ島の生物多様性の豊かさにはただただ舌を巻いた。
19:22
二頭目のコーカサスオオカブトが飛来した!!今度はオスだった!!!
見ればわかる小型個体だが、日本の虫では見られない大柄な体格に心底感動した!!
この時間帯あたりから一気に多くの虫が飛来し始めた。全てをあげるのはきりがないので以下では主だったものを時系列順に紹介する。
21:02
21:27
22:01
22:23
22:28
昆虫の個体自体は多くはなかったもののなかなか楽しい夜だった。自分は朝の3時ごろに力尽きて就寝した。
Reference
・細谷忠嗣・荒谷邦雄(2006)DNAから見た日本産クワガタムシ13属の系統関係〜大アゴに見られる性
的二型進化のパターンを探る. 月刊むし, 426: 41-49
2019 ジャワ島(5)はこちら。